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軍国日本の興亡―日清戦争から日中戦争へ (中公新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 148723 位
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| 参考価格: | ¥ 840 (消費税込)
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新書ながら頼れる一冊
新書版にして日本の近代史を
かなりの程度理解できる。
アウトラインがしっかりしている。
なかでも日露戦争後一年のとき、
伊藤博文が会議で児玉参謀総長に
いった言葉は、ひとつの転機であったように
感じられる印象的な場面だ。
戦前の軍国主義と前後の平和主義はよく似ている
まえがきに、『戦前の軍国主義と戦後の空想的平和主義とは、まるで双生児のようによく似ている』との記載がある。
その特徴として、考え方が独善的であり、国際的視野を欠いて一国主義的であることなどを著者は指摘している。
軍事的価値を戦前は過大評価し、戦後は過小評価しており、軍事的価値を妥当に評価できるようになるまで軍国主義の克服をしたことにならないという著者の主張にはなるほどと思う。
内容は、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦から第二次世界大戦にいたるまでの軍事を中心とした(決して軍事だけではないが)歴史の講義である。京都大学法学部で日本政治・外交史を講義したときのノートをもとにしている。
「明日に向かって撃て」のラストシーンのような滅亡
本書を読むと「権力」の特性は「一度狙ったら決して諦めないこと」だということが分かる。日本の満州侵略願望は明治時代から存したし、米国の中国市場進出願望はそれ以前から存した。諦めたかに見えても絶対に諦めない。この二つの野望の衝突が日本帝国滅亡につながる。日露戦争で日本の手を上げてくれた(レフェリーとして)のもこの下心かららしい。ハリマンという、映画「明日に向かって撃て」にも名前が出てくる巨大資本家(主人公達を絶対諦めずに追い詰める。)の提案を断らねばよかった。
また太平洋戦争の陸戦で日本軍は悲しいまでに弱いが、これは第一次大戦以後の装備の革命的な近代化を怠ったため。大戦に実質参戦しなかったことが遠因らしい。
統帥権独立は明治期の憲法解釈では少数説。
下克上的風潮の方がマズかったようにみえる。
ノモンハンについて触れていないのは残念。
バランスの取れた日本近代史
日本近代史は、なにもかも日本が悪かったかのごとく書き散らし、しかも自分は圏外にいるみたいな(お前は日本人じゃないのか、と言いたくなるような)書き方をする左翼系知識人の書く本と、逆に日本は、何も悪くなかった、日本を悪く書くのは占領史観だと居直ってしまう右翼系知識人の書く本の2つに分かれてしまいがちだが、この本は、その点、非常にバランスが取れた良書である。この本を丁寧に読めば、日本の近代史を冷静に見直すことが出来る。日本近代史を理解するために、一度は読みたい本である。
宣戦布告なき中国との戦争に至るまでの過程を丁寧に追う
当時の日本・韓国・中国を近代化の観点から比較した上で、筆者は日清戦争から筆を起こす。北清事変(義和団の乱)、日英同盟、日露戦争、韓国併合、第一次世界大戦参戦、ロシア革命に対抗するためのシベリア出兵、表向き軍縮条約の締結とデモクラシーの発達で明るい様相を見せながら、貧富の格差、軍部の不満による軍国主義かの萌芽と発酵の時期でもあった大正時代。満州事変、上海事変、5・15事件と国際連盟脱退、「満州国樹立」、2.26事件と軍部が日本の政治中枢を掌握し、ついに中国と戦端を開き、全面戦争に突入する過程が自説をまじえながら丁寧に解説されている。筆者は、軍国主義ばかりではなく、憲法第九条に象徴される戦後日本の「戦争放棄」も「空想的平和主義」だとして批判している。もちろん国権の発動としての軍事力の行使、侵略行為には反対の立場であるが、現代の国際化の時代では、過去の反省を踏まえながら、集団的自衛権などを考慮しながら、日本が国際社会で尊敬される構成員としての立場を果たして欲しいと主張している。
中央公論社
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