イギリスからオーストラリアへ、自分たちの農場を持つことを夢見て移民したホップル一家。苦難を乗り越えていく家族の姿を、その三女ルーシーメイを中心に描いた、1982年放送、8本目の「世界名作劇場」。フィリス・ピディングトン原作『南の虹』をアニメ化したものだ。 この前年に放送された「ふしぎの島のフローネ」に引き続き、家族をテーマに描かれた作品(子どもの頃は「フローネの遭難しなかったバージョン」だと勝手に思ってたっけ…)。しかし、こちらの一家が直面する悩みはお金のことや仕事のことなどずいぶん現実的。一家の主も、かなり頼れたフローネのお父さんに比べると、ルーシーのお父さんは落ち込んで酒におぼれたりと、ずいぶん人間くさい。しかしそんな悲惨な状況の中で、助け合いながら強く生きていく人々を描くことこそ、「名作」シリーズの真骨頂。淡々とした描写を見ているうちにいつの間にか、一家に起こることに一喜一憂させられてしまう。ルーシーが事故に遭って記憶喪失になることから始まる終盤の展開は、ほどよいケレンとなっている。 ルーシーとその姉ケイトの無邪気な存在感や、動物好きのルーシーが飼う動物たちの自然な可愛らしさが、硬派なお話にほっとする雰囲気をもたらしているのもいい。いろいろな意味でバランスの良い佳作である。(安川正吾)
家族や仕事をテーマにした作品
放送されていた期間は1982年1月10日から同年の12月26日
今から何年も前の作品です。
物語はイギリスの貧しい農家が、政府のオーストラリア移民に参加し
オーストラリアに渡ってその地で生活をしていくものです、新しい農業
をやりたい父親の夢は、すぐに適わず、現地では測量の問題があって、
簡単に農地を手にできないと判明。農地購入のチャンスも妨害にあって
逃してしまうなどの苦労が続きます。
生活が貧しくなる一家、ルーシーのかわいがっていた羊を、生活の為
に売ることになり。売られたショックと、売らざるえない状況を理解し
ているルーシーは…
全50話という長さなので、全話を見るために相当な時間を必要としま
す。ただ、この長さがあればこそ、最終回にルーシーの言う
「よかったわね、父さん。」
という簡単な台詞が非常に重く、感動的な響きになります。約2時間
という尺でまとめあげる映画と違った良さが南の虹のルーシーにはあり
ます。ペリーヌ物語と並んで、大好きな作品です。
オープニングの「虹になりたい」は、やまがたすみこさんが担当して
います。挿入歌の「いつか大人に」はBGMのみで何度も流れますが、こち
らも本当にいい曲です。
世界名作史上に残る名作だと思います・・・
すっかりこの作品に引き込まれてしまいました。 この作品はどんな作品よりも、わたしたちの自叙伝としての性格を持っていると思います。 姉妹ゲンカをしながらも仲良く遊ぶルーシーとケイト。 強烈な個性のない、時に自分勝手な父親…。 なんだか現実的な姉と婚約相手…。 お互いに好意からすれ違い始めるポップル一家とプリンストン夫婦…。一つ一つのありのままの描写が私たちの思いに触れて、引き込まれてしまいます。 おもしろくて仕方がない。身近で身近で…。 悪役のぺティウェルさんもだんだん円熟味がかかったお笑い系悪役ぶりを発揮して最高です! オーストラリアの動物シリーズも、コアラ、カンガルーに始まりカモノハシ、ディンゴ、ワライカワセミ、ウォンバット…。 温かく物語が作られていて、大好きです。 そういえば、アボリジニーのヘラクレスさんはアデレードの町が大きくなって追い出されちゃったのかな? とか、謎のところはありますが、それでもとっても良心的で温かい話です。 こんな家族、いいなぁ、と心から思います。別に何の個性はないけれどもいいなぁ、と。 何年も苦労を重ねて苦労を重ねて、ばらばらになり始めた家族が最後に一つになる時、涙なしには見られません。 あのオープニングの映像、イングランドで最後に撮ったであろうおばあちゃんを含めた家族の写真、 大自然を一から開墾していくさま、この物語の縦糸をなす連綿とした歴史が伝わってきます。 移民の苦労という縦糸と、家族を真正面から脚色なく描く横糸、こんなに素晴らしい話はありません。
バンダイビジュアル
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